部屋にある本棚

夏への扉/

2013年01月30日

夏への扉この本は、とにかく好き。
ストーリーはSFでは珍しくない冷凍睡眠とタイムトラベルが柱になっていて、
しかも期待通りに流れる。
何故好きなのか。まず文体の爽やかさにあるのだろうと思うけれど、
冒頭の一節「かくいう僕も夏への扉を探していた」に惚れてしまったのだ。
 
雪深いコネチカットの冬の間、(猫用のドアを含めて)外へと通じる扉が全部で12個もあるアパートで、
雪景色ではなく夏に通じている扉を求めている猫のピートのために、ひとつひとつその扉を開けて、
まだ雪が積もっていることを確認させる僕。
ピートと僕の距離感のある同居風景がありありと見えて、
読んでいる私まで閉ざされた冬ではなく、
緑の風が吹き抜ける夏空を求めている気になる。
私にとって、ブルーな時に読むと、心が癒されてしまうような素敵な一冊。