部屋にある本棚

るきさん/

2013年01月30日

るきさん実を言えば、コミックも好きで
学生時代はよく(立ち読みも含めて)読んでいたものだ。
そういえばもうずいぶん手にしていないなぁと、
本当に久しぶりに買ったこの『るきさん』で、
当時をしみじみと思い出したりした。コミックが文庫版でも出ているなんて親切だ。

1988年から92年まで雑誌『Hanako』で連載されていた漫画だそう。
評判をちらほらと(なぜ今頃?)聞くようになり、聞けば聞くほど気になってきたから、とうとう読んでしまった。

なんだかすごいタイミングだ、とちょっと思った。
悩み事やら考えなくてはいけないことがたまたま重なって、
胃が痛くなるような日が続いていた。
張り詰めたこころに、思いがけずぷつっと空気穴があけられるみたいな、るきさんの力の抜けた生き方っぷり。

贅沢も派手な娯楽もなく、流行なんてどこ吹く風で、事件だってない。
ひたすらシンプルな生活ぶりなのに、るきさんのテンポに惹きつけられる。
とにかく絶妙なのだ。

ふわふわ優しそうなのに、ちょっとばかりシニカルで、ふらふら危うい感じなのに自分流を持っていて。
必要以上に執着もしていないけれど、あたたかさのある人との距離感が心地よく。
思わず肩をふるわせながら不気味に笑いつつも、目標を高く持ちすぎて焦ったり、
余裕をなくして生活を楽しめなかったり、そんな自分の毎日を、ふと省みたりする。
そんなちいさなきっかけをくれた本。
色使いがとても綺麗です。