日だまり椅子

観覧車と冬の空


大好きな場所で、
一足早いクリスマスを過ごしてきました。
お洒落をした人が目立つ静かなレストランでのこと。

ふと周りを見渡すと、年配のご夫婦らしき2人。
車椅子の奥様は手に障害があるのか、
食べづらそうにお箸を使っていました。

和食でもスプーンやフォークはお願いすれば持って来てくれるはず…
もしかしたら軽い素材のものもあるかも…
失礼だとは承知で、なんだか気になっていたら、
ご主人が「手で食べてしまえば」と促しているのが動作でわかりました。
それでも、やはり周りが気になるのか箸をにぎりしめたまま。

突然、ご主人自身が指でつまんで食べだしたのです。
「こうやって」
ちょっと得意そうな笑み。

すると、ずっと不安げな緊張した面持ちだった女性が、
一瞬ほのかな笑顔になって、
それから、一緒にお箸を放して食事をはじめました。
ゆっくりゆっくり。でも今度は確実に。
私にとっては、ほっとするようなあたたかい光景でした。

きらきらしたお洒落な若い人たちも、静かなご夫婦も、
そして私たちも。
テーブルひとつひとつに、ちいさな世界があって。

ただただ、今は。そばにいてくれる人にありがとう。

This Post Has 4 Comments

  1. サンタロウ より:

    きっと一緒にいた人は、20年後もそのレストランで老夫婦と
    同じように仲良く、クリスマスの夜をゆらさんと一緒に過ごす
    ことを望んでいると思いますよ。(^^)

  2. ゆら より:

    > サンタロウさん
    私もそうだったら素敵だなぁと思ったりしています。
    サンタロウさんのコメントがとても暖かくて
    思いがけないクリスマスプレゼントみたいでした^^
    どうもありがとうございます。
    サンタロウさんも素敵なクリスマスを過ごしてくださいね^^

  3. みき より:

    映画のワンシーンのようなレストランの出来事
    ですね。
    私まで穏やかな気持ちになりました。
    ゆらさんの文章にはいつも癒されます。ありがとう。
    そういう夫婦になれたらいいな・・・と思います。
    ゆらさんも素敵なクリスマスでしたね。
    だんだん寒さも厳しくなってきましたが、良いお年を!

  4. ゆら より:

    > みきさん
    相手を大切に思っているようすを感じると
    こちらまで心があたたかくなります。
    たぶん、お2人にとっては当たり前の日常なのでしょうけど…
    コメントをありがとうございます。
    みきさん、どうか良い年をお迎えくださいね^^

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